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2025年4月開始|子ども・子育て支援金制度の概要と事業所実務への影響

社労士 鈴木 貴雄

社労士 鈴木 貴雄

東京都社会保険労務士会

この記事の執筆者:社労士 鈴木 貴雄

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2025年4月より、「子ども・子育て支援金制度」がスタートします。
本制度は、少子化・人口減少が進行する中で、子どもや子育て世帯を社会全体で支えることを目的として創設された新たな仕組みです。

事業所においては、従業員の賃金から支援金を徴収し、国へ納付する義務が生じるため、給与計算・社会保険実務に新たな対応が必要となります。
以下、制度の概要と実務上のポイントを解説いたします。


1.子ども・子育て支援金とは

子ども・子育て支援金は、子ども・子育て支援法等に基づき国が徴収する公的な負担金です。

  • 子育て世帯に限らず
    • 子どものいない世帯
    • 子育てを終えた世帯
    • 単身世帯
    • 高齢者
      など、すべての世代が負担対象となります。

集められた支援金は、主に以下の財源として活用されます。

  • 児童手当の拡充
  • 育児休業給付の拡充
  • その他の子育て支援施策

2.健康保険料に「上乗せ」して徴収

(1)徴収方法

事業所は、健康保険に加入している従業員の賃金から、健康保険料に上乗せする形で支援金を天引きし、
事業主負担分とあわせて国へ納付します。

  • 対象:被用者保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合 等)
  • 納付開始:2025年4月分保険料(2025年5月末納付分)から

(2)支援金の計算方法

  • 月例給与 標準報酬月額 × 支援金率
  • 賞与 標準賞与額 × 支援金率

(3)支援金率(令和8年度)

  • 支援金率:0.23%
  • 負担割合:
    • 従業員負担 0.115%
    • 事業主負担 0.115%

※原則として折半負担となります。


3.年収別の支援金額(国の試算)

政府が公表している、令和8年度における年収別の支援金額(被用者保険加入者)の試算は以下のとおりです。

被保険者一人当たり(月額・本人負担分)

  • 年収200万円:192円
  • 年収400万円:384円
  • 年収600万円:575円
  • 年収800万円:767円
  • 年収1,000万円:959円

※年収(標準報酬総額)×0.23%=年額
※年額を12で割り、さらに1/2(本人負担分)で算出

▶ 出典(こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/0a469080/20251226policies-kodomokosodateshienkinseido-02.pdf


4.給与明細への表示は「努力義務」

支援金額については、

  • 給与明細に明記することが「望ましい」
  • ただし、現時点では法的義務ではありません

とされています。

もっとも、支援金は従業員の手取り額に直接影響するため、

  • 給与計算システムが対応可能かを確認したうえで
  • 給与明細への明示を検討する
  • 明示が難しい場合は
    • 健康保険料に支援金が含まれていることを
    • 社内通知や文書で周知する

といった対応が望ましいと考えられます。


5.納付方法と「子ども・子育て拠出金」との違い

(1)支援金の納付

  • 日本年金機構から毎月届く納入告知書に支援金額が記載
  • 納入告知書に従って、他の社会保険料と併せて納付

(2)既存の「子ども・子育て拠出金」は継続

これとは別に、事業所は従来どおり
**「子ども・子育て拠出金」**も引き続き納付する必要があります。

  • 厚生年金保険料と併せて徴収
  • 事業主のみが負担
  • 現行の拠出率:0.36%
  • 2025年4月以降も廃止されません

「子ども・子育て支援金」と「子ども・子育て拠出金」は別制度である点にご注意ください。


まとめ(実務上の重要ポイント)

  • 2025年4月から子ども・子育て支援金制度が開始
  • 健康保険料に上乗せして徴収・納付する仕組み
  • 従業員・事業主で原則折半負担
  • 給与明細への表示は努力義務だが、説明対応は重要
  • 既存の子ども・子育て拠出金は引き続き必要

制度開始に向け、給与計算・社内周知・システム対応の確認を早めに進めておきましょう!