公開日: 2026.10.30
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【2026年版】就業規則の作成・改定費用の相場と内訳|社労士が解説

社労士 鈴木 貴雄

社労士 鈴木 貴雄

東京都社会保険労務士会

この記事の執筆者:社労士 鈴木 貴雄

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【2026年版】就業規則の作成・改定費用の相場と内訳|社労士が解説

就業規則の作成や見直しを社労士に依頼すると、費用はいくらかかるのでしょうか。民間の情報サイトでは、新規作成で10万〜30万円程度、変更で3万〜15万円程度という目安が示されています。この記事では、費用が変わる要因と見積書の見方、費用以外に必要な手続きまでを解説いたします。

この記事のポイント

  • 社労士への依頼費用は、新規作成が10万〜30万円程度、既存規程の変更が3万〜15万円程度が民間情報サイトの目安です(法令上の定めはなく、事務所ごとに異なります)
  • 金額は、従業員数・業種・依頼範囲・関連規程の数などで大きく変わります。金額の比較だけでなく、見積もりに何が含まれるかを確認することが大切です
  • 就業規則は、作成して終わりではありません。意見聴取・労働基準監督署への届出・周知が必要で、違反すると罰則の対象になります
  • 依頼前に現行の規程や従業員の内訳をそろえておくと、見積もりが早く正確になります

「就業規則を作らなければいけないのはわかっているが、費用の見当がつかず先延ばしにしている」というご相談は少なくありません。

費用は、依頼先や依頼の範囲によって幅があります。そのため、相場を知らないまま見積もりを取ると、高いのか安いのかの判断ができません。一方で、金額だけで選ぶと、必要な手続きが見積もりに含まれていなかったという事態も起こり得ます。

本記事では、費用の目安、金額が変わる要因、見積書で確認したい項目、費用とは別に必要な法定の手続きを順に整理いたします。

※本記事は2026年10月30日時点の情報に基づいています。費用の金額は民間の情報サイトに掲載された目安であり、特定の事務所の料金を示すものではありません。

就業規則の作成・改定費用の相場

社労士に就業規則の作成や変更を依頼する場合の費用について、民間の情報サイトに掲載されている目安は次のとおりです。

依頼内容費用の目安補足
就業規則の新規作成10万〜30万円程度(50万円程度までとする情報もあります)小規模事業者向けに3万円台のサービスがあるとする情報もあります
既存の就業規則の変更・改訂3万〜15万円程度大幅な改訂は、新規作成に近い費用(15万円以上)になることがあります
顧問契約がある場合割引や顧問料内での対応になる場合があります扱いは事務所ごとに異なります

社労士の報酬額は法令で定められておらず、事務所ごとに自由に設定されています。上の表はあくまで目安です。実際の金額は、従業員数や依頼の範囲によって上下しますので、複数の事務所から見積もりを取る場合は、同じ条件で依頼して比較することをおすすめいたします。

なお、すでに就業規則のひな形をお持ちで、内容の確認だけを依頼する「リーガルチェックのみ」に対応している事務所もあります。この場合の金額も、事務所によって異なります。

費用が変わる主な要因

同じ「就業規則の作成」でも、金額に幅が出るのは、次のような要因があるためです。

就業規則の費用が変わる4つの要因:従業員数、業種、依頼範囲、関連規程の数
要因費用への影響
従業員数・雇用形態従業員が多く、正社員・パート・契約社員など雇用形態が多様なほど、規定すべき内容が増え、費用が上がる傾向があります
業種・業態建設、運送、医療・福祉、ITなど、業種特有の働き方(シフト制、深夜労働など)を反映する必要がある場合は、作業量が増えます
依頼の範囲新規作成か、全面改訂か、一部変更か。届出の代行や従業員向け説明会を含むかどうかでも変わります
既存規程の有無手元に規程がある場合は、現状の確認と修正が中心になります
関連規程の数賃金規程、育児・介護休業規程、ハラスメント防止規程、テレワーク規程などは、別料金になる場合があります

特に見落としやすいのが「関連規程の数」です。就業規則の本則だけを依頼したつもりでも、賃金や育児・介護休業に関する別規程が必要になり、結果として総額が見込みより増えることがあります。

また、依頼先の実績や専門性によっても金額は異なります。個別の項目や章だけの作成に対応する事務所もあり、その場合は全体を依頼するより費用を抑えられることがあります。

見積書で確認したい項目(チェックリスト)

見積もりを比べるときは、総額だけでなく、次の項目が含まれているかを確認してください。

見積書で確認したい4項目:関連規程、届出、修正回数、その後のサポート
確認項目見るポイント
ヒアリング自社の実態(勤務形態・手当・休暇など)を聞いたうえで作成されるか
法令チェック最新の法改正を反映した内容になっているか
関連規程賃金規程・育児介護休業規程など、必要な規程が含まれているか、別料金か
意見聴取の支援従業員代表の意見聴取や意見書の作成について、案内があるか
届出労働基準監督署への届出の代行が含まれているか、別料金か
修正の回数案を確認した後の修正が何回まで含まれているか
その後のサポート施行後の質問や、法改正時の見直しの扱い(顧問契約の割引の有無など)

「安い」見積もりでも、届出や関連規程が別料金で、結果的に総額が高くなる場合があります。同じ範囲に揃えて比較することが、判断を誤らないコツです。

費用とは別に必要な法定の手続き

就業規則は、作成(または変更)しただけでは完了しません。労働基準法に基づく次の手続きが必要です。

手続き内容根拠
作成・届出常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る(パート・アルバイトも人数に含まれます)労働基準法第89条
意見聴取労働者の過半数で組織する労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、意見書を添付する同法第90条
周知見やすい場所への掲示・備え付け、書面の交付、いつでも閲覧できる電子的な方法のいずれかで労働者に知らせる同法第106条

これらは、就業規則を変更した場合も同様です。変更のたびに、意見聴取・意見書の添付・届出が必要になります。

第89条、第90条第1項、第106条に違反した場合は、30万円以下の罰金の対象となります(労働基準法第120条)。就業規則の作成にかかる費用だけでなく、届出や周知まで含めて予算と時期を考えておくことが大切です。

就業規則の作成義務や10人の数え方については、就業規則がない会社のリスクと作成・届出の手順の記事で詳しく解説しています。

費用を理由に先延ばしにしたときのリスク

費用がかかるからと見直しを後回しにすると、次のようなリスクが残ります。

  • 届出・意見聴取・周知の不備:常時10人以上の事業場でこれらが行われていないと、前述の罰則の対象になります
  • 実態と規程のずれ:手当や休暇の運用を変えたのに規程が古いままだと、従業員との認識の違いからトラブルになりやすくなります
  • 法改正への未対応:育児・介護休業やハラスメント防止など、規程に影響する法改正が続いています。関連する記事として、育児・介護休業規程の見直しやカスハラ対策の義務化もご覧ください

規程の見直しは、法改正への対応や就業規則全体の整合性の確認を含め、就業規則の改定・見直しとして専門家に依頼する方法もあります。費用と比べて、トラブルが起きた後の対応にかかる時間や負担を考えると、早めの確認が結果的に負担を抑えることにつながります。

依頼前に準備しておくとスムーズなもの

見積もりを依頼する際に、次の資料を用意しておくと、やりとりが早く進み、見積もりも正確になります。

準備するもの理由
現在の就業規則・賃金規程などの一式見直しの範囲と作業量を判断するため
従業員数と雇用形態別の人数規定が必要な範囲を把握するため
労働条件通知書(雇用契約書)のひな形規程との整合を確認するため
勤務時間・休日・休暇・手当の運用の実態実態に合った規程にするため
36協定など、労使協定の有無規程と協定のつながりを確認するため
希望する時期(施行したい日)スケジュールと意見聴取の時間を確保するため

就業規則の内容は、依頼から届出まで、おおむね次の流れで進みます。

就業規則の作成から届出までの流れ:ヒアリング、案の作成、意見聴取、届出と周知

対応チェックリスト

優先度対応内容時期の目安
最優先常時使用する労働者の人数(パート・アルバイトを含む)を数え、10人以上かを確認する今すぐ
最優先就業規則の届出・周知がされているかを確認する今すぐ
高現行の規程を準備し、依頼の範囲(本則のみか、関連規程も含めるか)を決める1〜2週間
高同じ条件で、複数の事務所から見積もりを取る2〜4週間
中見積書の内訳(届出・関連規程・修正回数)を確認する依頼前
中施行日と、従業員代表の意見聴取の時期を決める依頼後

よくあるご質問

Q. 従業員が9人以下でも、就業規則は必要ですか?

A. 労働基準法上の作成・届出義務は、常時10人以上の労働者を使用する事業場が対象です。9人以下の事業場については、義務ではありませんが、作成することが勧められています。個別の状況によって判断が異なりますので、専門家へご確認ください。

Q. 一部の規定だけを見直したい場合も、費用はかかりますか?

A. 一部の変更でも、社労士に依頼すれば費用は発生するのが一般的です。ただし、変更の範囲が限られていれば、新規作成より費用は低くなる傾向があります。変更後は、意見聴取・意見書の添付・届出が必要である点は変わりません。

Q. 見積もりが事務所によって大きく違うのはなぜですか?

A. 多くの場合、含まれている作業の範囲が異なるためです。届出の代行、関連規程、従業員向けの説明、修正の回数などが含まれているかを比べてみてください。報酬の設定は事務所ごとに自由であり、金額の違いだけで内容の優劣は判断できません。

まとめ

  • 費用の目安は、新規作成が10万〜30万円程度、既存規程の変更が3万〜15万円程度(民間情報サイトの記載。事務所ごとに異なります)
  • 金額は、従業員数・業種・依頼範囲・既存規程の有無・関連規程の数で変わる
  • 見積もりは、届出・関連規程・修正回数など、含まれる作業を揃えて比較する
  • 就業規則は、意見聴取・届出・周知までが必要で、変更時も同様。違反は30万円以下の罰金の対象
  • 依頼前に現行の規程や人数の内訳をそろえておくと、見積もりと作業がスムーズに進む

費用は、金額そのものよりも「何が含まれているか」で判断することが重要です。まずは自社の状況を整理し、同じ条件で見積もりを比較することから始めてみてはいかがでしょうか。

制度の詳細や自社での対応についてご不明な点がございましたら、カインド社労士事務所までお気軽にご相談ください。

この件のご相談は、初回無料です(オンライン・出張相談にも対応しています)

自社の場合はどう対応すべきか、就業規則や手続きの見直しが必要かなど、お気軽にご相談ください。

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